
こんにちは。スマートエデュケーションの尾高です。
7月31日に中央ヴィラこども園で2年ぶりに公開保育を開催しましたので、参加してきました。今回は、なんと40名もの方が参加してくれました。
午前は園の見学。午後は講演会とワークショップを実施しました。
【午前の部:園の見学】

中央ヴィラこども園では、0歳〜2歳児は各年齢の保育室内にいろいろな遊びのコーナーが設けられており、子ども達は好きな場所で過ごしています。
3歳〜5歳児では、園庭やアトリエ・保育室などより幅広い選択肢のなかから、自分で遊びを選んで活動をしています(自由選択教育)。
室内、園庭ともに環境設定に力をいれており、どこからでも挑戦したいことができる環境が準備されています。異年齢での関わりも多く、子どもたちの興味関心から日々、いろいろな遊びが生まれています。
最近では、特に室内のアトリエコーナに力を入れているとのことでした。
【アトリエの様子】
ここからアトリエの様子をご紹介します。色々な素材がいっぱいで圧倒されました!
先生にお聞きしたところ、子ども達の遊びが広がるように、なるべく本物の素材を用意するように心がけている、とおっしゃていました。
素材は美しく整理されており、子どもたちが手に取ってすぐに遊びに使えるように工夫して並べられています。

自然素材もいっぱいです。中央ヴィラこども園さんのすぐ近くには海があります。流木や貝殻など、その土地ならではの素材がたくさんありました。子どもたちが身の回りの自然に興味をもつきっかけにもなりますね!

先生とお話ししていると、「恐竜作ったよ、見てみて〜」と男の子が声をかけてくれました。「作るの大変だったけど、出来てうれしいんだ〜」と真剣に説明してくれました。次の作品も期待できそうです!

【保育室の様子】
保育室の様子も少しご紹介します。色々なコーナがあり、子ども達が遊びに没頭していました。
● 0歳児クラス
陽の光がたくさん入り、園庭も見渡すことができる明るい保育室。のぼったり、おりたり、くぐったり、ちょっと隠れてみたり。子どもたちの好奇心を引き出す環境づくりを工夫されていることが伝わってきます!

● 1歳児クラス
1歳児さんの保育室は「つくる」ことを意識した環境に発展しているなと感じました。大きなソフトブロックやレゴブロックで子どもたちは、色々なものを作って楽しんでいました。奥には洗濯バサミを使った果物狩りのコーナーが。楽しみながら手先を使って遊ぶことができますね。
真ん中のトンネルも、色がとても美しく面白いです。透明ビニールを通すとどんな風に世界が見えるのでしょうか。

壁には未満児さんがタブレットでお絵描きをした記録も掲示されていました!素敵なアトリエでもわかるように、中央ヴィラこども園の子どもたちにとってアート活動はとても身近な存在です。タブレットも表現の道具のひとつ。未満児さんからデジタルでの表現を少しずつ体験しています。

● 2歳児クラス
・恐竜コーナー
子どもたちが恐竜の世界に入り込んで、空想を広げられるような環境が用意されていました。

壁面にはタブレット(アートポン!)を使って恐竜の世界を楽しんだ記録も掲示されていました!

2歳児さんのお部屋には、このほかにお店やさんコーナーやBBQコーナー(手作り七輪がありました)、海のコーナーなどが用意されていました!
● 3歳児クラス&4歳児クラス
3歳児の保育室と4歳児の保育室は冒頭にご紹介したアトリエと、ひと続きになっています!「作って見立てる」ごっこ遊びを中心に、いろいろなコーナーが作られていました。

5歳児クラス
5歳児さんの保育室には天井まで届きそうなカプラタワーが!さすが5歳児さんです!保育室いっぱいにカプラを広げて、思い切り遊んでいました。
カプラタワーが崩れる瞬間を激写!大盛り上がりでした。

3・4・5歳児さんのお部屋には、籠って遊べるスペースもあります。静かに安心して遊ぶことができます。


● 玄関ホール
玄関ホールには素敵な絵本コーナーが。お迎えに来た保護者の方がここでゆっくりとドキュメンテーションを読むこともできます。素敵なくつろぎスペースです。

【セミの鳴き声研究:ICTを使った探究活動】
中央ヴィラこども園では、2022年夏からICTを導入し、遊び・学びの道具として活用しています。園内でICTがどのように活用されているか気になって廊下を歩いていると、汗だくになった男の子が声をかけてきました。
「セミ好き?」
「セミの鳴き声って種類によって違うんだよ」
「どういうことだろう?」と話を聞いてみると、園庭で何匹か捕まえたセミの鳴き声がそれぞれ違っていて、興味を持ったようでした。
そこで鳴き声の違いを先生やお友達にも教えたいと思い、KitSの「おとえ」(絵に音を入れることができるアプリ)を使って鳴き声を記録したとのこと。
「なんて上手な使い方なんだろう!」と感心しました。ICTを道具として利用できている一面をかいまみることができました。
このような場面で重要なのは、先生方のサポートです。もちろん、なんでもかんでもタブレットを使えばいいということではありません。子どもたちが「これをやりたい」「どうしたらいいんだろう」と悩む場面で、いろいろな選択肢を提示し、その一つとしてICTも提案できる先生方のレベルの高さを感じました。

捕まえたセミを撮影!この後、鳴き声を録音していました。

お友達や先生に自分の発見を伝えています!

他にも、いろんなところで、おとえを使った形跡がありました。
・おとえクイズ

・アイス屋さんの注文票

・消防署ごっこの効果音


写真を見ていただくと、たくさんのアナログの素材の中でタブレットが目立たずに馴染んでいることがおわかりいただけるのではないかと思います。
中央ヴィラこども園では、タブレットは動画をみたりゲームをしたりするだけのものではなく、ものづくりをしたり表現したり、発見を記録したりする道具になっています。
【園庭の環境について】
この日は非常に暑く、園庭で遊ぶ子どもの姿は少なかったのですが、自然いっぱいの園庭環境についてもご紹介します。




緑豊かな環境と水辺があり、子どもたちが様々な遊びを楽しめる空間が広がっていました。
このような自然の豊かな園庭では「先生の目が行き届かず、危険な場面もあるのではないか」という心配の声もありましたが、先生方は日頃から園庭に潜むリスクとハザードについて話し合いを重ね、子どもたちが安心して遊びに集中できるようサポート体制を整えているとのことでした。
【午後の部:交流研修会】
午後は会場を変えて、参加者の皆さんと中央ヴィラこども園の先生方とで交流研修会を行いました。
保育の振り返り
今回の公開保育の助言者は、幼保連携型認定こども園 川内すわこども園SECOND園長 帯田英児先生です。今回公開保育を開催してくださった社会福祉法人 協愛福祉会 理事長 横山和明先生と共に、今日の保育についてお話をしてくださいました。

帯田先生のコメントを以下の3つにまとめてみました。
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①みんなで子どもを見守る素晴らしいシステム
中央ヴィラこども園を訪れて驚いたのは、担任の先生だけが自分のクラスを見るのではなく、園の先生たち全員でチームを組んで子どもたちを見守っていること。「みんなで子どもたちを育てよう」という温かい雰囲気が園全体に感じられた。
②子どもたちが安心して遊べる環境づくり
園内を見て回ると、本当に様々な遊びができる環境が整っていることに感心した。これだけ選択肢があれば、どの子も自分に合った遊びを見つけることができる。
そして何より印象的だったのは、子どもたちがとても安心して過ごしていること。「失敗してもいいんだ」「挑戦してみよう」という気持ちで、時間を忘れるほど夢中になって遊んでいる姿がとても素敵だった。
③遊びから生まれる自然な学び
見学していて一番感動したのは、子どもたちが遊びながら自然に学んでいる姿。ある子は色に興味を持ち、別の子は数字に夢中になり、また別の子は生き物について調べている。それぞれが「面白い!」と思ったことから学びを深めていく様子を見て、「これこそが本当の学びなんだな」と実感した。このような環境があるからこそ、子どもたちは豊かに成長していけるのだと感じた。
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続いて、横山先生が保育で大切にしていることについてお話ししてくださいました。特に印象的だったのがアトリエの可能性についてのお話しです。
アトリエは自由な表現の場として、子どもたちが自分のアイデアを形にできる場所であるべき。「環境が先生になる」という考えのもと、素材や空間の配置を工夫し、子供たちが自分でデザインできる場を提供することが大切だ、と語る横山先生。
今後は「美しさと混沌の融合」という一見相反する要素テーマを融合することで、新しい価値を生み出すことができるのではないか。整った調和や心地よい安心感(美しさ)と予測不能でいろいろなものが入り混じった状態(混沌)を融合させることで、子どもたちが心踊るような環境を作り出したい。アトリエを起点に子どもたちが自由に創造し、自ら興味を持って学んでいける場を作っていきたい、とお話しされました。
帯田先生の園も横山先生の園も本当に素敵なのですが、お二方とも「今のままで十分」と満足することなく、常に「もっと良い保育をするには何が必要だろう?」と考え、新しいことに挑戦し続けていることがよくわかり、本当に感動しました。
さらに、自分たちの園だけで完結するのではなく、他園や地域との交流を大切にし、園をどんどん開いていることも、本当に素晴らしいと思いました。「あの園の取り組みは素敵ですね」「この方法を取り入れてみましょう」という柔軟な姿勢で、常により良いものを求めている様子がとても印象的でした。
また、良い保育を実践するだけでなく、それを言葉にして他の人にも分かりやすく伝えることも、この二園さんで共通していることだなと思いました。
日々の保育を「言語化・可視化」するのは簡単なことではないと思いますが、現場の先生を含め、みなさんが丁寧に取り組まれていることがよくわかりました。このような先生方の真摯な姿勢があるからこそ、質の高い保育が実現されているのだと心から実感しました。
【先生達が感じたICTの課題と希望】
続いて、現場の先生方が「子どもたちの遊びにおけるICT」について、いろいろな思いやエピソードを発表してくださいました。
保育環境を見ると、とても素敵な活用をしていらっしゃることがよくわかるのですが、その裏には先生方のさまざまな工夫と努力がありました。
「子ども達がICTを目的なく遊びに使っている姿が気になってしまう」「ICTの使い方に慣れていない職員もいて、保育に活かす方法を上手に共有できていない」など、課題を感じるたびに先生同士で話し合ったり、アプリの使い方を学ぶための研修に参加したりと、試行錯誤を重ねてこられたそうです。
そして「子どもたちにおろす前にまずは自分たちで使ってみよう!」と作ったのが、こちらの動画です。KitSの「mobie(モビー)」という動画作成アプリを使用しています。
その後、「子どもたちと動画を作ってみるのも面白いのでは」という思いから、「プールの安全ルール」をテーマに子どもたちと先生が一緒に動画を作成しました。子どもたちも動画作りを通して、プールの安全な遊び方について主体的に考えることができたようです。そして動画作りに参加した子どもたちが、他のお友達にアプリの使い方を教えることで、子どもたちの間で自然と遊びが広がっていく様子が見られるようにもなりました。
先生が一方的に遊び方を指示するのではなく、子どもたちに任せっきりにするのでもなく、子どもたちと先生が一緒に新しいことを発見しながら、遊びや学びを深めていくことを目指しているとお話しされました。
悩みながらも進んでいく先生方の姿に感銘を受けました。とても素敵なお話でした。
【オフラインおしゃべりきっつ】
講演会終了後は、KitS✖️アートのワークショップを行いました。「おしゃべりきっつ」というのは、スマートエデュケーションのKitSチームが導入園さん向けに実施しているオンライン研修会です。全国から導入園さんが集まって、KitSの活用事例を紹介しあったり、悩みを相談しあったりしています。
今回の公開保育にはKitS導入園さんもたくさんいらっしゃったので、「リアルな場でおしゃべりきっつをやってみよう!」ということで、KitSのアプリを使ったワークショップを行いました。

本日は、ワクワクスコープとアートポンの2つのアプリを使用しました。ワクワクスコープは、電子顕微鏡で観察する素材を1000倍に拡大して観察することできます。アートポンは、撮影した素材や、写真などをデジタル上に映し出すことができ、またその差材に動きをつけることができます。


それぞれのテーブルには、3種類の虫眼鏡や顕微鏡と花や貝、石などの素材が置かれており、それらを観察して写真を撮り、撮影した写真をアートポンに入れて皆で共有して楽しむという研修でした。
先生方からは、「こんな見え方になるんだ」「予想と違った」と言った声が上がっていました。また、園庭の中で枝や葉っぱ、虫などいろいろな物も見てみたいという声もありました。



アートポンとプロジェクターはとても相性がよく、観察した素材や作品を皆に共有しやすくなります。また大きく映し出すことで、体ごとその世界観に入り込むことができます。
当日は研修用に素材を準備しましたが、実際に園に戻れば観察に適した素材はどこにでも見つけることができるのではないでしょうか。園庭では草や木、水辺の生き物や昆虫、園舎の中では壁の質感やおもちゃの素材など、探してみると身の回りに興味深い観察対象がたくさんあります。
中央ヴィラこども園のように豊かな環境づくりに取り組んでいる園では、子どもたちが日常の中で様々な素材を発見し、自然に探究心を育むことができる環境が整っているのだと感じました。先生方のクリエイティブな発想も、とても印象的でした!
【まとめ】
少子化が急速に進むこの時代、園も一般企業と同じく生き残っていくための方法を考えていかなくてはいけません。今回の中央ヴィラこども園さんの、迷ったり悩んだり立ち止まったりしながらも、新しいことにチャレンジし続ける姿に大きな刺激を受けました。「うまくいくことばかりではないです」とお話してくださる先生もいらっしゃいましたが、その試行錯誤のプロセスにこそ価値があり、今の中央ヴィラさんの姿を作っているのだと感じました。スマートエデュケーションの立場としても、今後いろいろな園さんと学び合い、保育について真剣に考えながら、一緒に園を盛り上げていけたらいいなと思いました。
まだまだ公開保育は開催されます!ぜひこちらからチェックしてみてください!






