
こんにちは。スマートエデュケーションの飯澤です!
去る9月26日、千葉県柏市のきたかしわ幼稚園にて公開保育を開催しました。北海道から大阪まで、全国30園以上の先生方にご参加いただき、園内の環境づくりや子どもたちの遊びを見学・共有する大変貴重な機会となりました!
【園見学のハイライト】子どもの「やってみたい!」を支える環境
きたかしわ幼稚園では、若手担任の先生方を中心に、子どもたちの「やってみたい!」という思いを大切にした環境づくりが随所に見られました。園では8年ほど前から子どもの遊びにICTを導入しています。アナログたっぷりの環境で、子どもたちの遊びをより豊にするためのICT活用が随所で見られました。
年少クラス:空想の世界に身体ごと入り込む
●水族館ごっこ
年少さんのクラスでは、水族館ごっこをしていました。子どもたちはお客さんではありません。自分たちが海の生き物になりきって、泳いだりショーを見せたりしていました。子どもたちの、海の生き物への憧れがとてもよく伝わってきます。

水槽の隅っこにはタブレットも。これは一体どうやって使うのでしょうか・・・?

なんと、白い筒を覗くと、海の世界が広がっていました!「アートポン!」というアプリにみんなの作品を取り込んで、素敵な海を作っています。
「保育の中にICTを入れる」というと、子どもがタブレットと1対1で向き合って遊ぶというイメージがあるかもしれませんが、きたかしわ幼稚園さんでは、世界観を作る一つの装置としてICTを活用しています。ちなみにこの遊びは、以前年長さんがアートポン!を使って水族館を作った際のアイデアが発端になって生まれたそうです。日々のドキュメンテーションや雑談のなかでICTの活用事例が先生たちの間で共有され、そこからアイデアが広がっているとのこと。遊びがクラスごとに閉じずに、学年を超えて広がっていく様子も素晴らしいなと思いました。
年中クラス:遊びの世界が広がるごっこ遊び
● お店屋さんごっこ
年中クラスでは、子どもたちが「チョキペタ」で制作した商品の看板が、ごっこ遊びのお店に並べられていました。先生が「これもお店に置いてみる?」と声をかけると、子どもたちは「うん!こっちにも!」と元気に応えながら、楽しそうに品物を並べ替えていきます。
きたかしわ幼稚園さんでは年少時から「つくる」遊びを大切にしています。ごっこ遊びでは、おままごとセットや先生が作った素材を使うことも多いかと思いますが、年中さん以上は「ごっこ遊びをしたい!」と思ったら、まず遊びに必要なものを自分たちで作るところから始まります。
自分たちの手で看板や品物を作ることで遊びのリアリティが高まり、それによって、より遊びに夢中になれるのではないかと感じました。先生のちょっとした声かけをきっかけに、子どもたち自身が遊びを発展させていく瞬間を見てとることができました。

年長クラス:表現を深めるICT活用
年長クラスのそら組では、「秋の幼稚園にあったらいいもの」をテーマに、製作活動が行われていました。 園庭で見つけた葉っぱやどんぐりを作品に取り込み、アートポンに映し出して動かすと、「動いた!」「ここに並べようよ」と声をかけ合いながら、画面の中の世界を自分たちでデザイン。ICTが無理なく遊びに溶け込み、子どもたちの表現をさらに広げる道具になっていることが伝わってきました。



年長クラス:身近な社会・文字への関心と精巧な表現
年長さんの自由遊びの時間での取り組みもご紹介します。園庭でありの巣を見つけたことから、ありの探求活動が始まりました。廃材でありの巣の世界を作った際に「ありのポスト」も登場。そこから今度は実際のポストに関心が広がっていきました。
実際に郵便局にも見学に行き、本物を見て刺激を受けて再び製作に取り組む子どもたち。「ポストに手紙を入れたい」とお話ししている子がいて、遊びが身近な社会や文字への関心へとつながっていくことを感じました。
特筆すべきは、点字ブロックや細かい標識など、本物のポスト周辺の環境をよく見て精巧に再現しようとする姿です。子どもたちの深い探究心と、遊びをより現実の世界に近づけようとする強い思いが伝わってきました。



2階のスペースには絵本やさまざまな素材が置かれ、郵便局のコーナーもありました!

園庭:ASOBIOの実践が示す自然との対話
園庭では、大きなどんぐりの木を囲んで「どんぐり、なってるかな?」「もう落ちてるかも!」と保育者同士や子どもたちが顔を見合わせながら話す姿が見られました。実際に落ちているどんぐりを見つけた子どもが「あった!」「帽子ついてるやつだ!」と拾い上げ、友達と見せ合う場面も。
この姿は、私たちが提供する園庭事業「ASOBIO」が大切にしている、「園庭の自然環境を共主体として捉える」という考え方がそのまま体現されていると言えます。子どもたちの自然の発見が、その場ですぐに遊びへとつながる、非常に印象的な瞬間でした。


講演・振り返り:失敗を恐れず挑戦する保育観
見学の後には、園長先生から今回の取り組みについてお話をいただきました。
園長先生はまず「子どもの“やりたい”“遊びたい”という気持ちを大切にしたい」とお話しされました。時にうまくいかないこともあったとのことですが「失敗と小さな成功を繰り返しながら保育が形になっていった」と振り返られていました。
また、「大人が先に答えを与えるのではなく、子どもの発見や工夫を支えることが重要」であり、「子どもの目を見逃さない先生の姿勢こそが育ちにつながる」と強調されていたのが特に印象的でした。



参加者からは、「自然素材とデジタルが違和感なくつながっている姿に驚いた」「子どもの発見を起点に遊びが広がっていく雰囲気が心地よかった」という声が多く寄せられました。実際の子どもの姿に触れることで、改めて環境づくりやICT活用の意味を実感された先生方が多かったようです。

まとめ:発見と工夫が学びへつながる一日
きたかしわ幼稚園の公開保育では、先生方が子どもの気づきや「やりたい!」を丁寧に受け止め、環境とICTを通して支える姿が強く印象に残りました。
園庭のどんぐりの木をきっかけに子どもたちが交わす会話や、ICTを自分の道具として活用しながら表現を広げていく姿は、まさに子どもの発見と工夫が次の学びへつながっていく過程そのものです。
園長先生のお話にもあったように、「子ども自身の発見や工夫を支える“環境そのものが学びにつながる”」という考えが実感できる一日となりました。温かい雰囲気を大切にしながら新しい挑戦を重ねるきたかしわ幼稚園さんの実践は、参加者にとって大きな学びとなったのではないでしょうか。






