公開保育

2026/3/12

〈公開保育レポート〉2/7 つばさのもり愛宕こども園・つばさのもり保育園(山形県天童市)

 こんにちは。スマートエデュケーションの飯澤です。
 2026年2月7日、山形県天童市にあるつばさのもり保育園・つばさのもり愛宕こども園にて、記録と体験の展示会「とちゅう展」が開催されました。
 日々の保育の中で生まれる子どもたちの興味や試行錯誤、そしてそこから広がっていく表現。その積み重ねを空間全体で感じることのできる1日となりました。

 子どもたちの1年間の育ちや探究のプロセスを展示する「とちゅう展」は、毎年2日間にかけて開催されます。初日の金曜日は保護者に共有する場として、2日目の土曜日は、他園の先生や地域の方に向けて実践や環境を公開する場として実施されています。
 今回は2日目の開催をスマートエデュケーション共催させていただき、全国からたくさんの園さんにご参加いただきました!

午前:保育の空間と記録を体感する見学

当日は午前中、両園の見学からスタート。
参加者は2グループに分かれ、保育園・こども園それぞれを巡りながら自由に見学を行いました。

会場には、子どもたちの制作物・写真と言葉による記録・ドキュメンテーション・子どもたちの実際の遊びのコーナーなど、日々の実践が展示されていました。

園内では、先生たちが来場者に向けて気さくに声をかけ、展示の背景や子どもたちの姿について丁寧に説明。見学に訪れた保育者が自由に質問し、その場で対話が生まれる場面が多く見られました。

素材の配置やコーナー構成、子どもたちの活動の広がりに驚く声も多く、各所で写真を撮りながら熱心に見入る様子が印象的でした。

ここからは、遊びのコーナーをご紹介していきます!

子どもの興味から広がる実践

園内には各テーマごとに多様なコーナーが設けられ、来場者はそれぞれの関心に合わせて足を止めながら見学していました。

● つばさのもり保育園

子どもたちの生活に根ざした「ネイル」のコーナーが展開されていました。日常の中でよく目にするお母さんの姿が、そのままリアルな遊びへと反映されている様子が印象的で、子どもたちが身近な大人の世界をどのように取り込み、再構成しているのかが感じられる空間となっていました。

● つばさのもり愛宕こども園

石の探究がひとつのコーナーとして展開されており、顕微鏡で観察するだけで終わるのではなく、ブラックライトや鏡などの素材を組み合わせながら、探究がさらに広がっていく環境が用意されていました。

また2歳児クラスでは、電車遊びの線路をデジタル上で設計し、そこから実際のアナログ遊びへとつなげる実践も見られました。ICTが遊びの中心になるのではなく、発想を広げる一つの手段として活用されている様子が伝わってきます。

つばさのもり保育園さんでも、つばさのもり愛宕こども園さんでも、どのコーナーも単発的な活動ではなく、素材や環境が丁寧に積み重ねられていることが感じられ、空間全体に充実した土台があることがうかがえました。

特に印象的だったのは、地域や保護者を巻き込みながら環境をつくり上げている点です。素材の充実や活動の広がりの背景には、園内だけで完結しない関係性がたくさんあるからこそだと感じました。

保育の中に自然に存在するICT

保育実践の展示の中で印象的だったのは、ICTが特別なものとして扱われているのではなく、子どもの表現や探究を支える道具の一つとして日常の中に自然に存在していたことでした。

デジタルとアナログが分けられることなく、日常の中で溶け合っています。

ICTを活用すること自体が目的なのではなく、子どもの興味や表現を深めていく過程の中に自然とICTが存在している。その関係性こそが、今回のとちゅう展全体を通して感じられる大きな魅力でした。

午後:保育の思想とICT活用を共有

午後は交流研修会を行いました。

まずは社会福祉法人つばさ会 理事・園長 森谷先生より、園の歩みと保育観についてお話いただきました。

建築分野から保育の道へ進んだ経緯、認可外保育施設から法人設立に至るまでの歩み、そして子ども主体の保育へと舵を切った背景。
完成形ではなく過程を大切にすること、保育者自身の気づきや感情を言語化し対話すること、ドキュメンテーションを通して保育を振り返る文化など、日々の実践を支える思想が共有されました。

続いて、KitSディレクターのニフュユスより、子ども主体の保育におけるICTの位置づけについてお話しさせていただきました。

ICTは特別な活動のための道具ではなく、はさみや紙と同じように子どもの探究や表現を支える環境の一部として存在すること。答えに近づくための道具ではなく、試行錯誤や共有を支える道具として活用されることで、子どもたちの活動はより豊かに広がっていくこと。
つばさ会での実践事例をもとに、保育とICTの関係性について共有されました。

最後は対話の時間です。参加者の皆さんとつばさのもりの先生方が、保育環境や保育記録、子どもたちの姿などをテーマにたくさんお話をされていました。


とちゅう展を通して感じられたのは、ICTを活用すること自体が目的ではなく、日々の保育や対話の積み重ねの中で自然に必要とされ、活用されているということでした。

子どもの興味から始まる探究、保育者同士の対話、記録を通した振り返り。つばさのもり保育園・愛宕こども園での実践は、ICTが保育にどのように位置づくのかを具体的に示すものとなっていました。

今後も、とちゅう展のような実践共有の場を通して、保育とICTの新たな可能性が広がっていくといいなと感じました。

チームワーク抜群の先生方、今回は大変貴重な機会をありがとうございました!


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