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埼玉県 あだちみどり幼稚園

埼玉県志木市にあるあだちみどり幼稚園を訪問しました。とてもワクワクする保育でしたのでご紹介します。

理事長の大熊先生は、保育業界とは全く異なる業界でキャリアを積まれ、2011年よりご実家であるあだちみどり幼稚園に入られ、お父様より理事長職を引き継ぎました。

当時の園は園児数の減少や職員の退職など様々な課題を抱えており、現園長の妹さんと二人三脚で園の改革に踏み切りました。現在は園舎や園庭もリニューアルし、園児数も地域でも有数の規模まで拡大しています。

しかし、大熊先生は、「特別なことは何もしていません。子供たちにとって何が楽しいのか、嬉しいのか。保護者一人ひとりと向き合い会話する。それだけです。」と仰っています。

確かに、特別なカリキュラムや行事があるわけでもなく、特徴的な遊具や園舎という訳でもありません。でも、全体を包む雰囲気がとても居心地が良く、子供たちばかりでなく、先生方も伸び伸びと「楽しんで」いるように見えます。

 

園内には「遊び心」「冒険心」をくすぐる仕掛けがさり気なく配置されています。

 

今回は年長さんのクラス活動を見学しました。KitS(きっつ)のアートポン!という教材で「ジャングル」をテーマにした創作活動です。

KitS(きっつ)は毎月1回活動していて、年長さんもアイデアを出し、自分だけの作品を創作し、発表する事にだんだん慣れてきました。

なので、今回はあえて選択肢を沢山用意して、もっと発想を拡げる仕掛けを準備しました。

いつもはその場で自分が描きたいものを考えてもらいますが、今回は前の日に「ジャングルの楽しい生き物・植物を描いてみよう」と声がけし、予め好きな下絵を選択して貰いました。

子供たちは、一晩「自分だけの生き物・植物」をどう創作しようか?考えて来ています。

はじめに、先生より創作に使う材料を紹介します。

クレヨン以外に、「セロファン」「色紙」「モール」「スパンコール」「綿」があります。

また、画用紙に貼り付ける材料として「水のり」「セロテープ」を準備しました。

キラキラしたスパンコールや透けて見えるセロファンを見て、子供たちは「わあー!」と創作意欲満々。

どこに、どんな素材を使おうか?

この素材はどうやって貼ったらキレイにできるのか?

子供たちの試行錯誤、むしろ悪戦苦闘が始まりました。(笑)

でもそこがKitS(きっつ)の狙いです。どんな作品が出来るのでしょうか?見ているこちらもワクワクします。

のりでベタベタして上手くくっつかないよ。

 

モールを適当な長さに切って、自分のイメージ通りのデザインをしています。

のりを広く塗ってその上にスパンコールを置けば、キレイにくっつくね!

子供たちが「先生〜、これどうするの?」と聞いても、先生は「こうしなさい」とは教えません。「どうしたら上手くいくかなあ?」と一緒に寄り添って考えます。KitS(きっつ)に正解はありません。試行錯誤して頑張った結果をみんなで分かち合い、褒め合います。そうすることで子供たちは「次はこうしよう!」と新しいアイデアや意欲が湧きます。

果たして、どんな作品が出来上がったでしょうか?

色とりどりの個性あふれる作品が出来上がりました!

中には・・・。

遊園地の様な立体的な表現をする作品も!アートポン!では立体的な表現はできません。私達も新たな開発課題の発見です。子供たちの発想力には脱帽です。子供たちのアイデアを表現できる教材づくりに終わりはありません。

別のグループではこんな事も。

花の下絵の上に、立体的に綿を載せて、スパンコールで装飾し、「くもりん」というキャラクターを作った子がいました。

それを見ていた別の子が、

セロファンで袋を作り、その中にスパンコールを封入しました。「振ると音が出る絵」の完成です!

お友達のアイデアから触発され、新しいアイデアが次々と生まれる。これがKitS(きっつ)の醍醐味です。

最後はみんなで、自分の作品の頑張りポイントを発表しました。

どの作品も、自分だけのオリジナルアイデアが詰まった素敵な作品でした。「へー!」と感激するお友達を目にして誇らしげな表情を浮かべている子供たちが印象的でした。

次は何をアイデアを生み出してくれるのか?今から楽しみです。