タブレット端末を使いカリキュラムに取り組む園児=徳島市のもとしろ認定こども園

タブレット端末を使いカリキュラムに取り組む園児=徳島市のもとしろ認定こども園

 徳島市福島1の「もとしろ認定こども園」が、年長の園児を対象に、タブレット端末を活用した情報通信技術(ICT)教育に取り組んでいる。情報端末の正しい使い方を早くから身に付けさせるとともに、専用アプリを使って考える力を伸ばすのが目的。県内で未就学児を対象にICT教育が行われるのは珍しい。

 園は未就学児向け教材のアプリが入ったタブレット端末を19台購入。2月から月1回(40分)、教材を開発した企業の研修を受けた保育教諭1人が指導している。

 園児は園内で見つけた黄色の靴や水色の水筒などを撮影し、集めた色を組み合わせてステンドグラスの画像を完成させたり、手で端末の画面をなぞって絵を描いたりして端末に親しんでいる。髙本乃愛ちゃん(6)は「毎回面白く、いつも待ち遠しい」と喜ぶ。

 園によると、通常のお絵かきや工作では、不器用なため苦手と感じて避けたがる園児もいるが、タブレットの場合は技術差が出にくく、どの園児も積極的に取り組んでいるという。園児同士で協力しながら行うカリキュラムも多く、園は「コミュニケーション力の向上につながっている」とする。

 県内では小学校以上でICT教育が順次導入されているが、幼稚園や保育園ではほとんど行われていない。筒井桂香園長は「楽しみながら、創造したり工夫したりといった生きる力をつけてほしい」と話している。