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「KitS」に取り組む保育園
社会福祉法人 セヴァ福祉会 セヴァ子ども学園 (京都府京都市)

 

●園紹介●

「遊びから学ぶ」という理念のもと、豊かな自然環境の中で五感を生かす保育を実践。科学実験・栽培体験・食育実習など、幅広い体験や遊び教育を通して子どもたちの可能性を伸ばしています。

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英才教育のためではなく、「遊びの幅を広げる」道具としてKitSを導入

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−−KitS導入のきっかけについて教えてください。

 

当園では5年以上前に電子黒板を導入しており、保育へのICT導入には抵抗はありませんでした。一方、幼児教育における「遊び」や「非認知能力」の重要性が年々高まるなかで、当園でも、保育や遊びの幅を今後さらに広げていく必要性を感じていました。

 

そんななかでKitSの存在を知り、ICTを使って楽しく遊びながら、創造力やチームワーク力を育てるという理念に共感を覚えました。提供されているアプリもとても面白かったですし、こんな風にICTを使えるのであれば、ぜひ挑戦してみたいと私自身が強く思ったのが導入のきっかけです。

 

ーKitSの導入にあたって、他の先生方から懸念の声などはありましたか?

 

iPadを使った保育はまだ事例が少ないですし、どういうものなのかがわからないという理由から「本当に良いことなのか」と心配する声はありました。ただ園長がとてもアンテナの高い人で、私がKitSの話をするとすぐに共感してくれました。園長と私とで「英才教育のために取り入れるのではなく、遊びの一つとして取り入れるのだ」ということを職員に丁寧に伝えていきました。

 

使い方や内容にしっかりと気をつけていれば何も問題はなく、むしろ楽しいことを禁止する必要はない、ということをしっかりと理解してもらうようにしました。

 

ー粟津先生ご自身が、KitSの保育を担当するにあたって心配だったことは何かありますか。

 

カリキュラムの内容がとにかく盛りだくさんなので、最初にトレーニングを受けた時は「こんなに覚えられるのだろうか」と少し心配になりました。ただ、実際にやってみたらまったく問題ありませんでしたね(笑)。

 

アプリがとても使いやすいので、操作方法に悩むこともありませんでしたし、子ども達は天才なので、一度やれば覚えてしまうんですよね。先生があれこれ教え込む必要はなく、子ども達と一緒に楽しむことが一番大切だというスマートエデュケーションさんからのアドバイスもあったので、とにかく楽しもうと思いました。

 

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気持ちにスイッチを入れれば、驚くほど発想が豊かになります。その代わり、保育の「導入」には命をかけています。

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ー粟津先生のKitSの保育を拝見すると、毎回、子ども達の作品が質・量ともに素晴らしくて驚いてしまいます。ユニークな発想をするお子さんが多い印象がありますが、日頃から何か特別な活動はしているのでしょうか。

 

普段の制作は、いたって普通です(笑)。KitSの保育も45分程度で、特に長い時間をかけているわけではないのですが、子ども達の作品の量は確かに多いかもしれませんね。

 

なぜこんなに面白い作品が次々と生まれるのでしょうか。

 

「導入には命をかける」というのがKitSの保育をするときのポリシーです。KitSの保育をしていて強く感じるのは、私がどんな声をかけるかによって、子ども達のアウトプットが驚くほど違ってくるということです。

 

例えば「はらぺこあおむし」をテーマにした切り絵アプリで遊んだときには、1週間ほど前にこっそりエリック・カールの絵本と他の作家の絵本を教室の本棚に差し込んでおきました。恐らく子ども達は自然と手にとって、いろいろなことを感じていたのではないかと思います。

 

そしてKitSの時間に、初めてみんなで絵本を見比べながら違いを考え、エリック・カールがいかに色鮮やかな作品を作っているのかを実感してもらいます。そこで「今日はみんながそのエリック・カール先生になって切り絵を作るんだよ!」というと、子どもたちの気持ちが「わっ」と盛り上がり、作品を作る手が止まらなくなりました。

 

ー子ども達との言葉の掛け合いも、漫才のようで本当に面白いですよね。

 

とにかく褒めることを大切にしています。ただ、褒め言葉も気をつけないとパターン化してしまって、子ども達の固定観念を強めてしまう恐れがあります。なるべく型にはまらないように注意しています。

 

作品の色でも形でも大きさでも、褒めようと思えばどんなことでも褒められます。たまに子どもから「え?なんでそこ褒めるの?」みたいな顔をされることもありますが……(笑)。でも私自身が絵が得意ではないので、子ども達の作品や発想は、すべて素晴らしいと感じます。「先生はこんなこと思いつかなかったよ!すごい!」と、いつも言っていますね。

子ども達同士も、お互いに褒め合う雰囲気があります。

 

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子どもが自分の力で成長していく姿を見守る、たくさん褒めるーーKitSの時間は、保育の初心に戻してもらえる大切な時間になっています。

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ーKitSを始めてからの子ども達の変化をどう感じていますか?

 

4月からKitSをスタートして、夏くらいまではお友達の真似をする子が多かったのですが、人とちょっと違ったところのある作品を取り上げて褒め続けた結果、子ども達は「人と違うものを書くと、違う角度で評価してもらえる」と気づき始めたようです。そこから個性豊かな発想がたくさん生まれるようになりました。


年長くらいになると自意識が芽生えてきて、自分の考えを発表したり、人と違ったことをしたりするのを恥ずかしく思うことが増えてきます。しかしKitSの時間は、誰のどんな考えも否定されない、ということをみんながわかっているので、本当にのびのび、自由に活動しています。

 

もう一つの大きな変化は、先を見通すことができるようになったということです。KitSの時間にはリーダーを決めたり、役割分担をしたりなど、グループで話し合う機会がたくさんあります。

 

KitSを始めたばかりの時は、ちょっとした役割を一つ決めるにも子ども達の間で非常にもめて、なかなか決まりませんでした。しかしそのうち、こんなことで時間を使っていたら、KitSの楽しいことができなくなるということに子ども達自身が気づき始めました。やるべきことはさっさと済ませて、本当に楽しいことに時間をたくさん使おう、という雰囲気がクラスの中で生まれてきたのは驚きでした。

 

子ども達の変化について、大切なことは「短期間で成果を求めない」ことだと思います。今お話ししたことも、すぐにできるようになったわけではないですし、できる日もあればできない日もあります。

結果をすぐに求めるのではなく、日々、子ども一人ひとりを向き合うなかで、1年間の活動を通して何か少し変わったなと思えたら、それで十分なのではないかと感じています。

 

ー保護者の反応はいかがですか?

 

KitSの導入については、保護者会で事前に説明をしました。活動内容については、口頭で説明するだけではわからないので、作品を印刷して持ち帰ってもらったり、玄関にあるモニターで作品上映をしたりもしています。保護者参観も2回ほど実施しました。「子どもがKitSを楽しみにしているので、それだけで嬉しい」という声を多くいただいており、ご理解いただいていることを感謝しています。

今後は、家庭でのiPadの使い方などについてもケアしていきたいと思っています。

 

ーKitSを始めてから、先生ご自身の保育スタイルに何か変化はありましたか?

 

これまでは遊びでも制作でも、ついつい子どもに「こういう風に遊んでほしい」、「お手本通りに作ってほしい」という型を求めてしまい、期待通りに進まなかった時に不安になることも少なくありませんでした。

ところが、KitSの保育には正解も不正解もありません。最低限のお約束さえ守っていれば、子どもがどんな発想をしても自由ですし、どんなことでも褒めてあげられます。ひたすら見守り、励まし、褒めるという環境にどっぷり浸かって保育をしていたので、この1年で心が穏やかになりました(笑)。

KitSの時間は、自分自身が保育の初心に戻れる大切な時間になったと思っています。

 

楽しく遊んでいれば自然と創造力やチームワーク力が育ち、子ども達同士も認め合える。先生は一生懸命に子どもを褒める。こんなに贅沢な時間ってないですよね。子ども達にとっても先生にとってもKitSは良いことしかないのではないかと思っています(笑)。

 

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保育企画推進室 粟津崇文氏

7年間、保育士として現場の保育に携わったのち、保育企画推進室へ。園行事や園の教育カリキュラム全般の企画・運営を担当。現在はKitSのほか、ストリートダンスの講師も務める。

 

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